回路設計

EMSへの期待と落胆

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過去の記事で低周波治療などで使われたり、美容機器のEMS機能で用いられる回路例をご紹介したことがありました。

色々、気になってここに辿り着く方が多い様で、「人体への影響は?」とか「EMSは効果があるの?」とか、思い思いに調べて流れ着く様で、気になったので投稿しようかと。

1.筋肉へ働きかける効果について

基本的に低周波は、人体の表層付近で吸収・減衰してしまい、多くの場合は痛みだけを伴って、運動効果や美容効果は薄いと言われています。その為、医療や理美容専門店で使われているEMS機器は、業務用として特化したものであり、きちんと効果効能の検証に基づいた裏付けの元で開発されているものが多いです。

低周波・中周波は筋肉に効果が無いとは言いませんが、副作用とにらめっこしながら、医師などの専門家に相談されるべきと考えます。

2.EMSの落胆とは

私がご紹介した様な回路は、低周波で且つ微電流による刺激を前提としています。そして、人体の皮膚表層付近を刺激するに留まる為、チクチクした痛みが気になることが多いです。この針で刺したチクチク感は、使用者の美容・運動機能への効果期待を挫けさせるには十分な厭らしさを持っています。これが落胆の一つでしょうか。

チクチク感の原因はいくつかあります。具体的に言えば、以下の要素がチクチク感へとつながっています。

  • 微電流を流す時間(=通電時間)
  • 通電する端子間の電位差(=電圧値)
  • 通電する端子の材質
  • 通電する端子面積
  • 通電する端子の形状

凡そ上記5つのファクターになるのですが、理美容機器開発の依頼もあり、電気設計者の観点から、通電時間を長くすれば痛みは鮮明になります。思いのほか電圧値は、痛みというよりは押圧度合いの強弱として体感できる印象です。最も、影響するのは端子の形状と面積。人体に触れる面積が少ないと非常に痛い。ちょっとイラっとくる痛さです。

分かりやすいイメージで言えばドアノブの静電気。ドアノブに触る前に大きな金属物を触ると、人体の電荷が放電されるので、静電気になりにくい。逆に、点当たりしようものなら、鋭利な痛みが走る、、、「美顔器」として顔を対象にしたEMSは、どうしても機器構成を小さくして、可愛らしさや綺麗さを表現する事が多いので、端子も小さくなっていくので、痛みが感じやすい機器に成りがち。機器構成はメーカーの意向も強いのでしょうが、購入するユーザー層がそれを求めている事もあると思われます。

「求めている」と書きましたが、逆にあの「チクチク感」に恐怖心を抱いている女性も多く存在しており、EMSの程度は、強くするも弱くするも、ユーザーを見て開発に反映をしたいと思うと、なかなか難しいところなのです。

最もつらいのは「低温火傷」でしょうか。トレーニング用や体の美容向けの機器を、日々使い続ける中で、毎日当てている箇所がニキビの様に赤く腫れてくることがあります。湿疹の様にも見えますが、EMS機器を使い続けている場合は、一度使用を控えて休まれるべきで、医者に診てもらうのが妥当と思われます。

チクチク感を我慢しながら、決められたルーティンをこなすことで、理想の自分を求めていくばかり、微電流と言えども同じ場所に何度も電気を流すわけですから、気づかずに人体を壊していることもあります。極端な話、雷に打たれた人は大火傷になります。

美容機器だけで、体重がコントロールできて、体型が変わるほど、優れているとは思えません。美容機器の良し悪しと、引き出せる効果効能を、事前に知ってから使用する必要があるのではないでしょうか。

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