欧米で取り巻く状況は2~3年遅れで日本へやって来ると言われる。
AIがホワイトカラーの仕事を、ある程度まで代替してしまうのは間違いない。
では、プログラマーは今後不要になるのでしょうか?
数年は経験豊富なプログラマーが台頭する
これまでのソフトウェア開発において、プログラミングの知識と技術を有したエンジニアが責任や役割を果たしてきました。逆に言えば、プログラミングが分からない素人は参入できない障壁があり、資格化されていない業界であるものの、実力が求められる現場がそこにはあったものです。
しかし、2025年現在のAIで生成されるプログラムコードは、プログラミング経験の浅い新入社員がコーディングするよりも、遥かに正確で早いです。
その為、先輩・上司がコードチェックをしつつ、若手社員がコードを現場で習得するような旧態手法は効率が悪く、AIが代替できる状態にあります。
リンクの記事にある様な、若手の仕事が失われている背景は種々あるものの、その一つに上述の要因が大きく影響を与えていると推察される。
他方、熟練プログラマーの仕事が大きく失われず、依然として活躍ができる背景は以下にある。
2025年現在のAIが生成するプログラムコードは完全ではない。
プロンプトに対して、間違った結果を導いているコードも散見される。
故に、間違ったコードをチェック・判定するエンジニアスキルは必要ということだ。
そして、駆け出しエンジニアでは判断しきれず、見つけきれないコードバグを発見し、
正しいコードへ手直しできる熟練者のスキルは一定数必要になる。
しかし、その役割は数年間の活躍に留まると推察され、より正確に素早くコーディングを行うAIへと進化するだろう。
駆け出しプログラマーはどうすべきなのか?生き残るヒントはどこに?
だからと言って、駆け出しプログラマーは直ちに未来を諦める必要はないと思われる。
AIができることは何か?人間と差別化できる点はどこか?が、未来に必要なスキルの指針だと思う。
今のところ、AIは言われたこと(=プロンプト)を忠実に具現化しようと動いてくれる。
また、決まったことを処理することも得意だ。
なので、定型処理や限定された処理範囲では、AIが思う存分に力を発揮してくれるだろう。
ローコードのプログラム、仕様が限定的でしっかり決まった開発は、且つてのプログラマーと言われた人間(=特に若手の駆け出しエンジニア)は必要ないと断言して良いと思う。
では、人間とAIの差分はどこにあるのか?
1.自律的な判断ができるか/できないか
2025年現在のAIは、人間の思考と同じように自律判断はできない(軍事関係ではあるのかもだけど...)
「お前のやり方は遅いから、こっちで開発完了まで進めておいたよ」
「次やることも、判断して進めておくね!」など、自律思考で自動的にコトが進められることはない。自律判断は、人間が担う重要な業務スキルと言ってよいだろう。
例えば、開発システムの完成形はどうあるべきか?どの様なシステムにするのが最善か?など、要件定義や仕様策定に関わる業務スキルは、プログラムだけでは決まらないし、単純に限定化できないので人間が担うべき業務スキルとなる。
2.コミュニケーション能力は人間の特権機能
AIは話題や立場を以て会話をすることができない。
対峙する相手の人間の様相や好き嫌いなど、その場の雰囲気を以て、感覚的な判断ができない。
これは人間ができる最も人間らしい代替できないスキルである。
特に日本人は空気感をとる能力が高い。
これからの中・長期の未来において、プログラム知識を有したコミュ力の高い人材は、かなり高ポイントになると思われる。
これは私の独り言であり、個人的な経験値になることを断って記載するが、プログラマーやエンジニアの素養を持つ人間は、コミュニケーション能力が低い方が多い。何故か?
プログラムコードは曖昧を許さない。
一字一句の間違いを許さない。
毎日、論理合否を仕事にしている人間が、曖昧な人間を相手にすることを心地良いと思えるかどうか。
YES or NOではっきりと答えを示す訓練を日々している手前、対峙する生身の人間にも、はっきり確定させる癖が出てしまうのだと思う。日本人は尚更きつく感じるだろう。
エンジニアは理屈っぽい。
理系はこれだから・・・。みたいなことを目の前で何度も耳にするのも日常の性だと思う。
とは言え、AIやPCと対話していればよいわけではない。
生身の人間同士でコミュニケーションを円滑に図れるエンジニアになるのが、現在の最適解スキルと思われる。
3.AIを使う側になる
AIに指示を出す側。使う側での仕事を追いかけるべきだと思う。
経験豊富なエンジニアが残る理由でも書いたが、AIをテストしたり、仕事結果を批評するのは人間にしかできない。
自律判断ができないので、製作したいシステムに最適なAIを選定するのも人間の役目だと思う。
一言でAIといっても、彼らにも得て不得手があるので、最適解を導いてあげる必要があるということ。
人間力を磨く方法と目的を見つけるべし
テクノロジーがここまで発達した先に残るものは、人間がやらなくて良いことは捨てていくしかない。
「人間だから」「人間にしか」と言ったフレーズに嵌ることを見つける必要が有る。
性別に関係なく、飲み屋で近所の人が集い談義しているのは、一つの人間らしさの形と思える。
スナックのママはコミュ力が高く、会話がしたくて訪れる顧客がいる。
一定にニーズが必ずあると言えるので、これらはAIで全て代替はできないだろう。